よくあるご質問 (最終更新日:2023年3月3日)
研究推進センターのサービスに関するよくあるご質問をまとめました。
[-] プロテオーム解析支援サービス
[+] プロテオーム解析対象に関して
血清のプロテオーム解析は可能か?
基本的には受け入れておりません。血清にはアルブミンなど特定のタンパク質が大量に含まれており、質量分析計および高速液体クロマトグラフィーへの負荷が大きいことが理由になります。
アイソフォームなどの特定のバリアントを解析することは可能か?
同定できる可能性はありますが、かなり難しいと予想されます。また通常使用しているデータベースはアイソフォームを含まないものを検索対象としておりますので、バリアント解析をご希望の場合は事前にFastaファイルをご準備いただく必要があります。
リン酸化以外のタンパク質修飾を解析することは可能か?
予め質量が分かっている修飾であれば調べることは可能ですが、事前に打ち合わせが必要となります。以下のケースは過去に実施の実績があります。
- ・近位依存性ビオチン化標識などによりビオチン化されたペプチドの同定
- ・特定のタンパク質のメチル化部位の同定
- ・アセチル化リジン認識抗体(Cell Signaling Technology)によるアセチローム解析
[+] サンプルに関して
プロテオーム解析に必要なサンプルの量は?
1回の発現プロテオーム解析で装置に導入するタンパク質量は200 ng程度ですが、サンプル調製の過程で吸着などによるロスが起こってしまうため、通常100 µg程度(リン酸化プロテオーム解析であれば200 µg)を準備していただいております。それより少ない場合は要相談となります。
免疫沈降物に関してはタンパク質定量だけでは装置への導入量を決めることが難しいため、予備実験でSDS-PAGE後銀染色した画像をご準備ください。その結果をもとに必要量をご提案させていただきます。
どのような状態でサンプルを提出したらよいか?
タンパク質をSDS化して変性させた状態による提出を推奨しています。またクオリティーチェックのためにタンパク定量およびSDS-PAGE(CBB染色)の結果も合わせてお願いしております。細胞や組織を溶解せずにそのまま持ち込んでいただくことは原則行っておりません。マウス胎児由来の臓器など微量サンプルを扱う場合は事前に相談していただき対応策をご提案いたします。
[+] データ解析に関して
計測は複数回繰り返す必要があるのか?繰り返す場合は何回行えばいいのか?
実験の目的や種類により異なります。
初めて測定するサンプルに関しては、少数サンプルでデータを取得していただき、結果をご確認の上、多検体での本測定を行うことを推奨しております。
データ解析はどのようにしたらよいか?
Perseusというソフトウェアを紹介しています。
詳しい使い方は以下が参考になります。
https://togotv.dbcls.jp/en/20201217.html
データの見方が分かりません
簡単な解析結果の見方、結果をお返しする際添付しております”README”ファイルをご覧ください。不明な点やより詳細が必要な場合はCRP()にご連絡いただければ対応いたします。DIAを用いた解析で使用しているソフトウェアであるDIA-NNのGitHub(https://github.com/vdemichev/DiaNN)にも情報がありますので、ご参照ください。
データ解析でUniProt以外のIDを付けることは可能か?
UniProt以外のIDを付けて解析することは可能ですが、Fastaファイルを依頼者様の方でご準備いただく必要があります。また、Fastaファイルは特定のフォーマットでご提供いただくことが必須ですので、事前にご相談をお願いしています。
[+] その他
自分が興味のあるタンパク質が同定されるかどうかを事前に確認する方法はあるか?
参考として以前に取得したデータの一部を今後公開予定です。
※現在公開準備中ですが、データの閲覧を希望の方は、CRP()までお問い合わせいただければ提供いたします。
- 293T細胞
- HeLa細胞
- TIG3細胞
- マウス脳
- マウス肝臓
- マウス腎臓
- マウス筋肉
- マウス胎児精巣
- マウス胎児卵巣
タンパク質の網羅性はどの程度か?
DIAを用いたシングルショット(1測定)の分析では、293T細胞で5000種類前後の蛋白質の同定・定量が可能です。同定タンパク質のリストをご希望の方は、CRP()までお問い合わせください。
定量の再現性はあるのか?
DIAを用いた解析では、同一サンプルの複数回測定(テクニカルレプリケイト)では同定タンパク質の7割がcoefficint variance(CV値) 20%以下で定量可能です。
生データはセンターで保管してもらえるのか?
センターでは原則1年間ほど保管しており、古いものから削除しております。なお、センターのHDの故障などによるデータ損失は保証致しかねますのでご留意ください。生データは解析完了後にお渡しいたしますので依頼者様で大切に保管をお願いいたします。
近年は論文投稿時に生データのレポジトリーへの登録が要求されることが多く、生データが紛失したため論文が投稿できないなどの事案が見受けられます。ご自身で生データの適切な管理をお願いします。
論文投稿時にデータのレポジトリーへの登録を指示されたがどうしたらよいか?
生データのレポジトリーへの登録に関してはjPOST databaseを紹介しております。
詳しい方法は以下が参考になります。
■TogoTV:【How to use3】jPOSTの使い方(プロテオーム関連データベース) @ AJACS番町3
https://www.youtube.com/watch?v=sUglDa0odoo
■jPOST database
https://jpostdb.org/